後2週間ほどで新年を迎えるという実感が湧かないのは、私だけでしょうか?
さてそんな年末年始。ロックダウンをしている国や地域もあり、例年とは違った過ごし方をする人たちも多いかと思いますが、三島在住の方々に出身国では年末年始をどう過ごすか訊いてみました。
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「インドネシア・パキスタン・フランスの年末年始の過ごし方」
「スコットランド・プエルトリコ・オーストラリアの年末年始の過ごし方」
旧暦に沿っているので、ベトナムのお正月は毎年日にちが変わります。例えば2021年は2月12日に新年が始まります。その前後5日間は「テト」と呼ばれ、家族や友人が集う年末年始となります。
また、その忙しい合間を縫い、手作りのバインチュン、酒、お花、ケーキ、果物などを持参して親しい親戚や友人の家を訪問します。これらの手土産はご先祖を祀る祠堂に供えられ、ご先祖さまに健康と幸運を祈ります。
私たちベトナム人にとって、ご先祖さまを信仰することはとても大切。
大みそかの真夜中には自宅の玄関にお供えを用意し、テトの間家族といてくださるようにご先祖さまを招きます。重要な儀式なので、家長である男性が行うんですよ。
新年の幸福や健康を祈り、子どもたちや未就労の若者が赤い封筒に入ったお年玉をもらいますが、その反対もあって、子どもや孫たちもお年寄りにお年玉を渡すんです。ここが日本とは違いますね。
【カナダ(ニューファンドランド)】
ニューファンドランドでのクリスマスの風物詩と言えば、ママリング(mummering)でしょう。
テーブルクロスやベッドシーツ、毛布などで仮装した集団が、予告なしに家から家を渡り、即興でパーティーを始めるのです。
ママーズ(mummers)と呼ばれる集団が、突然玄関のドアをノックして、家の中に入ってもいいか訊くのです。もちろんこの質問は形式的に過ぎません。たいていドアの鍵は開いているし、パーティーを始める合図のようなものです。
室内に招かれると、ジンジャービスケットをつまみ、ライウイスキーやラム酒をぐいぐい飲みほしながら、アコーディオンやお手製の様々な打楽器でニューファンドランドの民謡を奏でたり、踊ったり。身元・性別不明な集団による隣人愛とクリスマスの楽しみに満ちたお祝い。
彼らの正体は誰だって構わないのです、その場にいるみんなが楽しく盛り上がれるんですから!
嵐のようにやってきたママーズは、嵐のように去っていきます。溶けた雪と一生残る素敵な思い出を残して。
ママリングを実際に見たい方は、12月26日~1月6日の間ニューファンドランドの民家に滞在してみてください。運が良ければ、ママーズが玄関のドアをノックする音が聞けるかもしれませんよ。
今年もお世話になりました。
皆さまにとって2021年が健やかに楽しく過ごせる年でありますように。
Happy New Year 2021!
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