心に残っている映画の名ゼリフはありますか?
“Frankly my dear, I don't give a damn.”
このセリフにピンときた方は、私のように古き良き時代のハリウッド映画がお好きなんですね。
『風と共に去りぬ』のクライマックス、レット・バトラーが追いすがる妻スカーレット・オハラに向かって突き放すように吐く一言です。
「正直言って、俺の知ったこっちゃない」というニュアンスでしょうか。
現代ではそこまで強い単語ではない”damn”ですが(主に‘70-80年代に活躍した、the damnedという英国のパンクバンドもありましたね)、『風と共に去りぬ』が制作された1930年代には冒涜的なものとして過去にアメリカの映画界で導入されていた自主規制条項「ヘイズコード」に抵触したようです。
しかしプロデューサーのセルズニックは、脚本のセリフを変えることを拒否。最終的には劇中の描写に必要であるとの判断で、捨て台詞として“Frankly my dear, I don't give a damn.”が使われることになりました(セルズニックが使用に際して罰金を支払ったとの説もあるそうです)。
そんな逸話を知ってこの映画を見ると、制作側の苦労や時代背景がわかってますます興味深いですよね。
登場人物の一人一人が個性的な『風と共に去りぬ』には、ほかにも印象深いセリフがたくさん出てきます。
夫と親友を失い絶望するスカーレット・オハラが立ち上がり、前を向いて明日に希望を託す感動のラストシーン、“After all, tomorrow is another day.”
あなたならどんな日本語字幕をつけますか?
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