続いているのでしょうか。
エルスリーにも花粉症でマスクとティッシュが欠かせないスタッフたちがいます。
その中でも、スタイリッシュなグレーのマスクをつけたプエルトリコ系アメリカ人のSebastian。
「ぼくのおじさんは、くしゃみをするとき『わーっしんとん(Washington)!!』と言っていたなあ」と教えてくれました。
日本人の「はーくしょい、ちきしょう」に近い気もしますね。最近あまり聞きませんが、昭和の壮年男性層はくしゃみの後に「あー、こんちくしょう」とか言っていました。
カナダ人Jimのおじいさんも、くしゃみの後に机を叩いて「ジーザス(Jesus)!!」と言っていたそうですし、くしゃみをすると見えない何かに負けた気がしてしまうのはいずこも同じなのでしょうか。
Jimの故郷のニューファンドランドでは、くしゃみをすると「誰かが想っているんだね」と言われるそうで、「誰かがうわさしているのかも」と捉える日本と似ています。
日本語の「はくしょん」は同じ英語でも、北米では「achoo」、イギリスでは「atishoo」と少々違いますが、彼らの前でくしゃみをしたとき、“(God) bless you”と言われるのは共通です。これは昔くしゃみをした人の肉体から魂が抜けだして病気になるという迷信があったため、「神さまのご加護がありますように」と声を掛け合うようになったからとのことです。
日本や中国、インドのように目の前にいる相手がくしゃみをしたからといって特に反応しない国もあれば、例えばドイツだと”gesundheit”「お大事に」やトルコの” çok yaşa”「長生きしてね」など健康に関する声掛けをする国もあるようです。
三島市在住の方々にお国のくしゃみについて訊いてみたところ、中国、マレーシア、インドではそれぞれ「aachuuuuu」「achoo」「aachii/aachuu」と英語に近いかもしくは同じ。インドネシア語は「hachi」と淡泊な印象を受けました。
また、ロシア語では「apchkhee」だそうで、世界で一番難解な言語とも言われる言語にふさわしく、くしゃみの音でさえ何やら複雑です。
人間なら誰でもするくしゃみは、国によって音や反応がさまざま。
くしゃみの考察を通して、宗教や歴史、文化的な背景が垣間見られるのは面白いですが、今も世界のどこかでくしゃみをした後に悔しがっているおじさんがいることを想像すると、やはり人間の根っこの部分は世界共通なんですね。