三島について、故郷カナダについて…Jimの目を通して、Jimの言葉で綴っていきます。
今回は、三島市国際交流協会(MIRA)の広報誌「MIRA通信」に連載中のエッセイ「JIMのみしまものがたり」第13回(No.102に掲載)をご紹介します。
あなたのお気に入りの時間の過ごし方は何ですか?
私はこの質問をするのが大好きで、返ってくる様々な答えにいつも感銘を受けます。サッカーや野球などのチームスポーツを楽しむ人もいれば、ゴルフやヨガ、SUP(スタンドアップパドルサーフィン)といった個人スポーツで自分に磨きをかける人もいます。
他にも、世界中の瓶の蓋や坂本龍馬の記念品収集、なかには日本各地のポケットティッシュをコレクションする、なんていう興味深い趣味もありました。
さて、あなたなら何と答えますか?何時間もゴルフ場で練習に打ち込みますか?毎週時間を見つけてはジムに通っていますか?外国語を勉強していますか?
私はというと、好きな過ごし方を一つ挙げるとすると、シンプルに…歩くことですね。22年前に三島に初めて来て以来ずっと、桜川、源兵衛川、御殿川、宮さんの川の透き通った水と交差する、歴史のある曲がりくねった通りを歩くのが大好きです。私のように散歩をすることが好きな人は、もうすでにその楽しさを知っているでしょうね。
健康にいいということを除いても、散歩をすることで頭をリフレッシュさせ、気分を持ち上げることができます。また、その地域を本当によく知るための一番の方法でもあります。ドライブ中の車窓からは、スピードが速くなるにつれ、目で追いきれずに見過ごしてしまうものが多くなってくるでしょう。サイクリングはというと、景色を見るにはなかなか良い方法ではありますが、周りの人々や物と気軽に触れ合うには向きません。その道の雰囲気や生活のペースを感じ取るためには、歩くのが唯一の方法です。気まぐれに歩く方向を変えてみるだけで、思ってもみなかったものを発見することができるのです。そしておそらく最も重要なことは、出会った人と「こんにちは」と顔を合わせて挨拶を交わし、そこから生まれる会話や笑顔を見ることができるということではないでしょうか。
インターネットでさっと検索すれば、散歩好きの人におすすめの街ランキングが見つかります。そのランキングの基準としては、公園や緑の多い静かな場所への近さ、空気の綺麗さ、公共交通機関へのアクセスの良さ、商業施設や学校の有無、清潔さと安全性などがあります。参考までに、私が生まれたカナダでは上記の理由から、バンクーバーが「歩行者のパラダイス」と称されています。
では、三島はどうでしょうか?このエッセイを書いている場所から少し歩けば、歩行者専用の歩道を通って駅に行けますし、砂利敷きの小浜通りに足を延ばせば、中郷温水池へと流れ込む美しい源兵衛川の源流にたどり着きます(私のお気に入りの散歩道の一つです)。自然を近くに感じたければ、白滝公園を抜けて楽寿園まで歩くといいです。三島駅までは7分、そこから新幹線に乗り込むとたった35分で活気あふれる品川へ。狩野川沿いを走る伊豆箱根鉄道に34分揺られれば、美しい修善寺温泉にたどり着きます。
古代ギリシャの医師であり西洋医学の父であるヒポクラテス(紀元前460年~370年ごろ)は、こんな言葉を残しています。
「歩くことは人間の健康と長寿にとって最良の薬である。」
私もその通りだと思います。そして三島の街こそ、歩くことにぴったりの素晴らしい街ですよね!
※三島市国際交流協会(MIRA)
MIRA = Mishima International Relations Association。
三島市民と外国の人々との友好親善をテーマに、さまざまな交流を通じ国際化時代にふさわしい三島市のまちづくり人づくりに貢献することを目的に、活動しています。
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