三島について、故郷カナダについて…Jimの目を通して、Jimの言葉で綴っていきます。
今回は、三島市国際交流協会(MIRA)の広報誌「MIRA通信」に連載中のエッセイ「JIMのみしまものがたり」第8回(No.97に掲載)をご紹介します。
梅雨。英語ではRainy season。
多くの人が憂鬱に感じるこの季節ですが、梅雨のどんよりとした空や、じめっとした空気、霧のかかった山々に、私はどこか懐かしさと心地の良さを感じます。私の育ったカナダのニューファンドランドは、日本に比べて雨や霧が多い土地です。梅雨の時期は、故郷で過ごした幼少時代を思い出させるのです。
ニューファンドランドの天気について、よく言われている事が二つあります。一つは「今の天気が嫌なら、5分待てばいい。すっかり変わってしまうから。」、二つ目は「霧のニューファンドランドが最も美しい。」です。カラフルな街並みが白い背景に浮き上がり、普段の静かな街が神秘的な様相へと一変するからです。
梅雨といえば、夏が近づいている合図でもあります。お祭りや花火、海水浴など、楽しみはたくさんありますね。皆さんはもう何か予定を立てましたか?もしも、ニューファンドランドを訪ねる機会があれば、絶対に夏がおすすめです。海岸線の岩場のハイキングや、氷山が残る入り江でのホエールウォッチングなど、夏を満喫できるアクティビティがたくさんあります。
さらに、毎年8月の第2水曜日には、北米で最も古いスポーツイベント、ロイヤル・セントジョンズ・レガッタが開催されます。18世紀から続くこのイベントは、6人1チームとなり、街の中央にある湖の1.25kmのコースをボートで競うお祭りです。湖の周りには何万もの人々が集まり、レース観戦はもちろんのこと、バンド演奏や地元の店が出す食べ物を楽しむのです。
セントジョンズでは、このレガッタが開催される日は市民の休日とされています。悪天候の場合にはレガッタは延期されるため、セントジョンズの市民にとって、その日が休日になるかどうかは、天候次第ということになります。ニューファンドランドには、てるてる坊主の習慣はないのですが、もしあるとしたら、当然レガッタの前日の火曜日は街中がてるてる坊主でいっぱいになるでしょう。
私はといえば、今年はてるてる坊主なしで、梅雨の気まぐれな雨を楽しみたいと思っています。
※三島市国際交流協会(MIRA)
MIRA = Mishima International Relations Association。
三島市民と外国の人々との友好親善をテーマに、さまざまな交流を通じ国際化時代にふさわしい三島市のまちづくり人づくりに貢献することを目的に、活動しています。
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