三島について、故郷カナダについて…Jimの目を通して、Jimの言葉で綴っていきます。
今回は、三島市国際交流協会(MIRA)の広報誌「MIRA通信」に連載中のエッセイ「JIMのみしまものがたり」第9回(No.98に掲載)をご紹介します。
漢字文化のない私たちにとって、漢字は見た目にもとても美しく、子どもの頃であれば不思議な記号のようにしか見えなかった一字一字の意味や由来を知るたびに、その奥深さに魅せられるものです。
漢字の形がその意味に通じるものがあると知ったのは、「Remembering The Kanji」という本を読んでからです。それまで私にとってはただの記号であったものが、その意味や由来を知ることで、自然に記憶の中に残る文字へと変わっていきました。
ある日、私がその本を片手に修善寺行きの伊豆箱根鉄道に乗っていたときのことです。ふと、友人から教えてもらったあることを思い出しました。それは三島の「三」は英語の「Three」、「島」は「Island」なので、三島は三つの島を意味するという話。私は車内の路線図に書かれた、当時はまだ全く読めなかった漢字を眺め、三本の直線で成り立つその文字が「三」なのではと予想しました。そして、その次に続く文字が「Island」に違いない、と。私の予想は正解でした。
しかし、「三」は「さん」とも読むのに、三島では「み」と読むのはどうしてなのか?そんな様々な疑問に苦戦しながらも、漢字という日本文化の一つを学ぶことで日本を知り、その一つ一つの発見を日々楽しみながら21年間過ごしてきました。
アルファベットは、一文字では意味を持ちません。漢字のように一つ一つの文字に感銘を受けるということは、フランス語やドイツ語などを学ぶ上では得られなかったことでしょう。しかし、単語という単位で見てみると、英単語にも同じようにその語源には様々な歴史があるのです。
例えば、私の出身地「Newfoundland」です。ここは15世紀に初めて、新しく見つかった土地(New Found Land)としてヨーロッパからの入植者たちがやってきました。そして今でもNewfoundlandという名で呼ばれ続けています。
また、私の育った街は「Torbay」というところですが、これはイギリスのデヴォンにある街Torbayから名付けられました。Torbayを2つに分けてみると、「Tor」はゴツゴツとした岩山、「Bay」は湾という意味になり、その意味の通り2つのTorbayという街は、どちらも高い岩の崖に囲まれています。「Tor」についてさらにさかのぼるとその語源はラテン語の「Turris(高い場所)」であり、英語の「Tower(塔)」も同じくTurrisを語源とする単語です。
こうして日本で生活をして日本語を学んでいるおかげで、私は私自身の母国語の語源についても、同様に興味を持つようになりました。
しかしながら、私には大きな疑問がまだ一つ残っています。水の都としても知られている三島は、なぜ、三つの島「三島」という名が付いたのでしょうか。三島に住む皆さん、ぜひその由来を教えてください。
※三島市国際交流協会(MIRA)
MIRA = Mishima International Relations Association。
三島市民と外国の人々との友好親善をテーマに、さまざまな交流を通じ国際化時代にふさわしい三島市のまちづくり人づくりに貢献することを目的に、活動しています。
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