三島について、故郷カナダについて…Jimの目を通して、Jimの言葉で綴っていきます。
今回は、三島市国際交流協会(MIRA)の広報誌「MIRA通信」に連載中のエッセイ「JIMのみしまものがたり」第6回(No.95に掲載)をご紹介します。
毎朝、駐車場から事務所まで歩くお気に入りの時間。急がずにゆっくり歩いて約3分、距離にして数百メートルですが、この時間が私の毎朝の楽しみです。
多くの場合は、今日は何をする予定か、誰と会うことになっているか、一日の流れを再確認し頭の中で準備をする時間なのですが、時には考えることをやめ、朝の空気と景色を気の向くままに楽しむこともあります。
数日前の朝、ちょうどその日はこのMIRA通信の次号のトピックを考えながら、いつもの道を歩いていました。すると前から腕を組んだ夫婦が歩いてきて、「おはようございます。」と温かいあいさつをしてくれました。その後、角を曲がって桜川沿いに歩いていると、また、今度は仲良くカモに餌をあげている家族が笑顔であいさつをしてくれました。
さらに道を進んだところにある美容院から、そして道を渡った先の八百屋さんでも「おはよう!」という元気なあいさつ。これほど素晴らしい一日の始まりはありません。
当たり前に私たちが交わしているあいさつも、日々に追われせわしなく過ぎていく日常の中ではその大切さを忘れがちになります。しかし幸せなことに、私はここ三島で、その大切さやあいさつが持つチカラを思い出させてくれる人々に囲まれています。
今ではこうして皆さんとあいさつを交わしながら事務所へ向かうことが習慣となり、今日はどんな人と会うだろうか、いつものあの人はいるかな、と毎日楽しみにしていることの一つでもあります。
子どもの頃、母がリビングに飾っていたウィリアム・バトラー・イェイツの言葉があります。毎朝学校に向かうときには必ず目に入ってきたこの言葉。
“There are no strangers here, only friends you have not met.”
「ここには他人はいない。まだ出会っていない友がいるだけだ。」
三島の人々が、私にこの言葉を思い出させてくれます。
※ 三島市国際交流協会(MIRA)
MIRA = Mishima International Relations Association。
三島市民と外国の人々との友好親善をテーマに、さまざまな交流を通じ国際化時代にふさわしい三島市のまちづくり人づくりに貢献することを目的に、活動しています。
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