三島について、故郷カナダについて…Jimの目を通して、Jimの言葉で綴っていきます。
今回は、三島市国際交流協会(MIRA)の広報誌「MIRA通信」に連載中のエッセイ「JIMのみしまものがたり」第18回(No.106に掲載)をご紹介します。
来日前から日本の四季が有名であることは知っていましたが、実際日本の夏がどんなに暑くて蒸し蒸しするかは全く想像していませんでした。夏に日本を訪れる観光客のほとんどは、来日前の私と同じ感覚ではないかと思います。
今年の夏は、恐らく史上最も暑い夏のひとつとして記録に残るでしょう。涼風が吹き抜ける秋の訪れを今か今かと待っている方も多いと思われますが、ここはひとつ、昔から日本で培われてきた工夫あふれる夏の習慣について振り返ってみましょうか。
1995年。初めて日本で迎えた夏、私はかき氷なる素晴らしき食べ物を知ったのでした。祭りから祭りをはしごし、新しい味のかき氷に挑戦しながら、かき氷が老いも若きをも涼しくさせるパワーを観察していました。そしてまた、みなさんを驚かせてしまうかもしれませんが、カナダにいた時には一度も“shaved ice”や”snow cone”と呼ばれるかき氷を食べたことがありませんでした。かき氷に一番近いと考えられるのは”maple taffy”という「冬」の食べ物です。メープルシロップの生産量が世界最大のケベックでは、降ったばかりのきれいな雪にあつあつのメープルシロップをかけ、シロップが固くなったら棒でくるくるとすくって食べる習慣があるのです。冬にカナダを訪れる予定がある方は、maple taffyを食べてみてください。旅行の素敵な思い出になることは間違いありません。
かき氷以外にも、日本には夏ならではの食べ物があります。ニューファンドランドでは、旬の食べ物は6月ごろ浜に寄せるシシャモか、9月中旬ぐらいに実るブルーベリー(ちなみに収穫したものは、どちらもお持ち帰り自由)くらいしか思い当たりません。日本には冷やし中華、うどん、そばなど冷たい料理がありますね。特に氷にのせたそうめんを葉生姜や味噌と一緒に食べるのが、私のお気に入りです。
旬の食べ物のほかにも、きれいな装飾が施された扇やうちわ、繊細で涼しげな音色を奏でる風鈴、屋内で涼をとるための打ち水。それに、ビヤガーデンで友達や同僚と楽しむ暑気払い!
日本には夏を楽しく過ごす暮らしの知恵が根づいていると感じます。
確かに今夏は酷暑でしたが、涼しさを感じるちょっとした工夫で、暑さが和らいだものです。これら以外にも日本の夏を楽しく涼む方法があれば、是非教えてください。
※三島市国際交流協会(MIRA)
MIRA = Mishima International Relations Association。
三島市民と外国の人々との友好親善をテーマに、さまざまな交流を通じ国際化時代にふさわしい三島市のまちづくり人づくりに貢献することを目的に、活動しています。
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