日本はこげ茶色ですね。はたしてこの色分けが意味するところとは?
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これは米国務省の機関である”Foreign Service Institute”が発表した、英語ネイティブにとって『習得するのが難しい外国語のランキング』を地図で示したものです。
難易度は大別すると5つに分かれています。
カテゴリーⅠ(緑色)は英語と密接に関係のある言語。Foreign Service Instituteによると、英語ネイティブがフランス語、イタリア語、スペイン語などを学習した場合、およそ24週/600時間で流暢になるそうです。
カテゴリーⅡ(薄緑色)はドイツ語のみ。やはり英語からさほど遠くないヨーロッパ語系なのですが、30週/750時間の学習が必要とか。
また、交易言語マレー語と、ヨーロッパの言語からの借用が多くみられるスワヒリ語はカテゴリーⅢ(薄黄色)に分類され、36週/900時間が流暢になる学習の目安です。
地図上一番目立つのは、東欧から中東、インド、ベトナムなどユーラシア大陸とアフリカの一部を覆っている山吹色。カテゴリーⅣに分類される主な言語はチェコ語、ヘブライ語、ヒンディー語、ペルシャ語、ロシア語、タガログ語、トルコ語…一番多くの言語がこのカテゴリーに含まれています。これらカテゴリーⅣの言語を自由に操るためには44週/1100時間の学習が必要と言われています。1100時間って…ちょっと気が遠くなりそうですね。
ところどころ見える薄茶色はカテゴリーⅣ*。フィンランド語、モンゴル語、タイ語、ベトナム語などで、カテゴリーⅣより学習時間が必要ですが、カテゴリーⅤ(赤色)ほどは難しくないというもの。独自の文字を使う言語が目立ちます。
カテゴリーⅤに属する言語はアラビア語、中国語(北京語、広東語)、韓国語。
漢字を知る私たち日本人にはなんとなく意味が想像できることもある中国語の表記も、初心者の英語ネイティブには暗号にしか見えないかもしれませんね。そのせいか、習得するには88週/2200時間の学習が必要だそうです。つまりカテゴリーⅣの2倍学習しなければならないということ。難易度が一気に上がりました。
そして日本語は、なんとカテゴリーⅤ*!世界広しと言えど、たった1か国だけこげ茶色。ランキング最難関・英語ネイティブが最も習得しにくい言語賞(?)に輝きました!
確かにあらためて日本語を考察すると、ひらがな・カタカナ・漢字の三種類の表記に始まり、尊敬語・丁寧語・謙譲語といった社会的地位を重んじる言葉、性別による言葉遣いなどなど…語学習得に必要な語彙や文法といった表面的な知識だけではなく、日本の文化や背景を深く知らなければ理解できないかもしれません。
私たちは、米国務省の機関も認める、世界中で一番難しい言語を当たり前に操る民族なのです!
ただ今英語を学習中の、そこのあなた。「難しい」とは思わずに、「日本語より簡単だ」と取り組んでみたらいかがですか?
それから周りの英語ネイティブが日本語を話していたら、心からリスペクトしましょう。彼らは大変な努力をしているはずですから。
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