エルスリーが目指す、地方を元気にする「コミュニケーションデザイン」とは?
デザイン・語学で魅力発信

月替わりのダイレクトメール(DM)は凝った作りだ。A3サイズ見開きの4ページ建て。地元の読者モデルが表紙を飾り、お薦めのファッション情報を載せる。女性の口コミ効果は大きい。石川さんいわく「ジムに一切合切をお願いして正解でした」。
ジムとは、三島商工会議所青年部の仲間、モロイ・ジェームズさん(42)の愛称。カナダ出身の起業家だ。
3年前に三島市でエルスリーを設立し、語学教育事業を展開する。英語やフランス語、スペイン語、中国語などの講師をそろえ、企業の語学研修に派遣。三島や沼津で会場を借り、一般向けの英会話教室を開く。
石川さんからの頼まれ仕事のDMは「コミュニケーションデザイン」と呼ぶビジネスの一環。カナダの大学を卒業後、裾野市の企業で社内向けの語学研修や人材教育プログラムの開発を10年近く担当した。そこで学んだデザインの持つ力を上手に生かし、プロモーションをお手伝いする。
三島から「地方を元気に」
沼津市の観光名所、沼津港深海水族館の英語版パンフレットの改定も手掛けた。水族館の運営を任される地元企業のブルーコーナーは英語研修の講師派遣先の一つ。語学教育でも新たなビジネスチャンスを呼び込む。
社名のエルスリーは「3つのL」。Live(生きがい)、Love(自己実現)、Learn(学び)だ。マーケティングの教科書でおなじみの米国の心理学者、アブラハム・マズローの考え方を会社経営に生かす。
英語でたのしむ週末イベントを仕掛ける。会場のカフェに若い人たちが集い、「日本語NG」のフリートークの盛り上がりをツイッターやフェイスブックで発信。三島の町中を散策し、写真に収めるワークショップも好評だ。「地方を元気に!」と、静岡市でもイベントを開きたいという。
ひとこと
「伊豆の国市の観光名所、江川邸の門から初めて見た富士山は忘れられません」